ハーフタイム 外部ルール型か、内部コミュニケーション型か
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2021年改訂コーポレートガバナンス・コード(以下,CGコード)では,プライム市場上場会社に,取締役会全体の3分の1以上の独立社外取締役(以下,社取)の選任を求めている。しかし,複数の社取を擁する著名企業が不祥事を起こしたときは,改めて社外弁護士らを起用して調査報告書を公表する。役員の事件への関与は認められないことは確認するが,社取に期待された機能が発揮されない経緯については一切触れないのが常だ。
その理由は,製造現場で多発する品質不正や検査不正の場合,本社に正式に報告されない,報告してもまともに受け止めてもらえない,したがって取締役会の議題になるはずがない,そのような月例会に出席するだけの社取は,"知らぬ,存ぜぬ"だからであろうか。
CGコードが不祥事を予防し価値下落を防ぐことを目的としても,いまの「外部ルール型」制度の手段とは噛み合わないのだ。
では,製造現場などで発生する不祥事を防ぐには,ほかに賢明な方法はないのか。対極的なあるいは併存可能な「内部コミュニケーション型」ならばどうだろうか。
プライム市場上場会社であれば,業務の中核を担う人材,AIの進化に対応し新たな価値を生む経営を目指す...
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