ソフトウェア制作費等に係る会計処理及び開示に関する研究資料公表を踏まえた実務上の考察 第1回 ソフトウェア制作費の会計処理

PwCあらた有限責任監査法人 テクノロジー・エンターテインメント アシュアランス部 パートナー 鈴木 直幸
PwCあらた有限責任監査法人 テクノロジー・エンターテインメント アシュアランス部 パートナー 新保 智巳
PwCあらた有限責任監査法人 テクノロジー・エンターテインメント アシュアランス部 ディレクター 才田 健一郎
  

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2022年6月30日に日本公認会計士協会から「ソフトウェア制作費等に係る会計処理及び開示に関する研究資料~DX環境下におけるソフトウェア関連取引への対応~」(以下、「研究資料」)が公表された。1998年3月に「研究開発費等に係る会計基準」、1999年3月に「研究開発費及びソフトウェアの会計処理に関する実務指針」、1999年9月に「研究開発費及びソフトウェアの会計処理に関するQ&A」(以下、総称して「実務指針等」)が公表されてから、実に20年以上が経過している。その間に企業が導入するITの形態は変革が進み、現在ではクラウドサービスが普及している。このようにソフトウェアを取り巻くビジネス環境が大きく変わっている中で、20年以上前の実務指針等の設定時には想定されていない、ソフトウェアの多様な取引実務が生じていることに着目し、現状の実務上の会計処理動向を調査・研究したのが今回の研究資料である。今回の連載では、研究資料が取り上げているクラウドサービスのユーザー側、ベンダー側の会計処理及び開示について、主要な実務論点を取り上げ、現行の実務指針等を適用するうえで参考となる考え方・整理の仕方を紹介して...