DWG報告のポイント⑥ 有報における重要な契約の開示

開示すべき契約類型や開示内容の明確化等を提言
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第6回のテーマは重要な契約の開示。企業が重要な契約を締結している場合には、有価証券報告書での開示が求められているが、諸外国と比較して開示が不十分との指摘がある。このためDWG報告では、企業・株主間のガバナンスに関する合意やコベナンツなどの個別分野について、それぞれ、重要な契約として開示すべき「契約の類型」や求められる「開示内容」などを明確化するとともに、それ以外の重要な契約についても「記述情報の開示の好事例集」等を通し、投資家にとって重要な情報が十分に開示されるよう促すことを提言している。

(1) 背景

企業が「重要な契約」を締結している場合、有価証券報告書の【経営上の重要な契約等】にその概要を記載することが求められている。また、コベナンツ(ローンや社債等に付される財務上の特約)のうち、投資判断に重要な影響を及ぼすと認められるものは、財務諸表への注記が求められている。しかし、同様の制度を有する諸外国と比較して、「重要な契約」に関する開示は不十分であるとの指摘がある。

(2) DWG報告の提言

諸外国との間で、法令上の規定に大きな差はないのにもかかわらず、実際の開示状況に差が生じている背景につい...