2年半ぶりのFace to Face! パリ訪問記 ラウンドテーブル・セッションを終えて

野村総合研究所 上級研究員 三井 千絵

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リアルなカンファレンス再開!

コロナ禍による最初のロックダウンの衝撃的な映像…。スーパーの棚が空になる買い占めのニュースが欧州から伝わってきたのは2020年3月の中旬だった。それから2年と3カ月たった6月13日、筆者はパリで開催されたあるサステナビリティの開示とデジタルをテーマとしたラウンドテーブルの席についた。

この2年で、さまざまな動きがあった。まずはIFRS財団のサステナビリティ開示への動き。ISSBの設立からSASB、IIRC、CDSBとの統合。一方、このサステナビリティ開示基準を統合させようという動きに対し、EUや米国は個別に開示基準の検討を進め、この春からそれぞれパブコメが行われていた。このラウンドテーブルでも、まずEUとISSBの草案について講演があった。先頭はEU版のサステナビリティ開示基準(ESRS)策定のタスクフォースでチェアを務めるパトリック・デ・カンブール氏。次がISSBからテクニカル・ディレクターのニーリ・サーシャ氏。その後、筆者から前の二人とは少し異なる日本のサステナビリティ開示についての取組みの紹介と資産運用業界側からみた課題について話をした。その後、全員でデ...