ミニファイル 2022年3月期決算とウクライナ情勢

( 31頁)

ロシアがウクライナに侵攻して約7カ月。日本ではこの間に2022年3月期決算を挟んだ。各社の有価証券報告書には侵攻の影響を開示する事例が見られる。

まず、関連する科目名で損失を計上していたのは三菱自動車工業(東プ、輸送用機器)で、「ロシア事業関連損失」を約82億円計上。マツダ(東プ、輸送用機器)の場合、ロシア国内に所有する関連会社の操業停止により、損害補償損失引当金約115億円を計上した。このような情報は「重要な会計上の見積り」として注記し、現地の情勢を踏まえて説明する事例がある。現地に関連会社を有していなくても、原料調達環境の悪化や供給網の寸断リスクが当面続くと考える企業も多い。当年度に見積もっ...