図解で整理!税効果会計の基礎と考え方 第8回 連結の税効果会計

 公認会計士 内田 正剛

はじめに

連結決算の税効果会計では、連結グループの視点から将来の税負担の減額/増額効果を検討します。そのため、「(条件付き)税金の前払い=繰延税金資産」という個別決算のイメージで連結決算の税効果会計に接すると、混乱することがあります。このように、連結決算の税効果会計は1つの会社の枠を超えて考える必要があるので、難しい会計ルールの代名詞的な存在ともいえます。そこで今回は、連結決算の税効果会計のうち、実務で出てくる頻度の高いトピックの考え方を、簡単な数値例とともにわかりやすく解説します。なお、数値例で使う法定実効税率はすべて30%と仮定します。そして、将来減算一時差異と将来加算一時差異を、それぞれ「減算差異」「加算差異」とよぶことにします。

また、週刊経営財務の誌面版では「事例でわかる 実務で使える 税効果会計」と題して、注記事例の分析や実務で使える情報をメインに解説しています。こちらも併せてお読みください。

〈掲載予定〉

回数テーマ掲載号1税効果会計って何?35632繰延税金資産・負債の計算方法と仕訳35663繰越欠損金と繰延税金資産35694繰延税金資産の回収可能性の判定手順35725フローチ...