ISSB 温室効果ガスに関する経過措置を暫定決定

基準の大枠はまもなく決定か
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国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)で検討が進む、2つの基準案。これまで公開草案へのコメントを受けた再審議をしており、論点ごとに暫定決定をしてきた。当初の時点で再審議の対象とした論点はその多くが一応の検討を終え、基準の方向性は概ね定まってきた形だ。現時点では、2月のボード会議で論点ごとの検討は完了し、その後6月頃の最終化に向けて適用時期の検討などをしていく予定。

スコープ3は1年遅れの開示も可能に

2022年12月のボード会議では、IFRS-S2号「気候関連開示」(S2基準案)におけるスコープ3の温室効果ガスに関する開示について、以下の経過措置を設けることを決めた。

①S2基準の発効日から最低1年間、スコープ3の開示を一時的に免除する

②バリューチェーン上の企業のうち、報告サイクルが企業の報告期間と一致していない企業からの情報を用いてスコープ3の排出量を測定することを認める(1月のボード会議でスコープ1・2にも同様の措置の適用を決定)

このうち①では、企業の準備に配慮した。スコープ1・2の開示を先行させることで、S2基準を適用するバリューチェーン内の企業のスコープ1・2排出量が明らかになり...