小説 会計士日記 Episode 3

  中岡 早雄

( 42頁)

20X1年3月11日

目が覚めて時間を見ると、まだ朝の5時過ぎだった。昨日は24時過ぎまで仕事をし、寝たのが1時を回った頃だった。少し寝たりないと思って瞼を閉じたが、仕事のことや今後の人生についてあれこれ考えてしまい、眠りに入ることができない。今日もまたこれ以上眠れないかもしれない...。布団から出てトイレに向かうついでに、お風呂の追い焚きボタンを押した。

再び布団に入り、余計なことを考えないようにとスマホを手に取る。アクセスしたのはワンピースの考察をしているお気に入りのサイトだ。このサイトの主の分析は凄くて、「へぇ、よくこんなシーンを見つけてくるな」と毎回感心するくらいに作品を読み込んでいる。今回も新ネタが投稿されており、それを読んでいるうちにいつの間に寝落ちしていた。

次に目が覚めたのは7時31分だった。最近は、朝の5時頃に目が覚めてしまい二度寝ができない日が多いのに、今日は珍しく再び長い時間眠れた。ちょっと疲れているのかもしれない。予定を確認すると、オフィスで18時から採用面接が入っていた。今日は都内まで行く日だと分かると少々気が滅入ったが、たまには仕方がないと自分に言い聞かせた。

そろそろ...