<INTERVIEW>素直な心で項目選定を~3年目のKAMに期待すること~ 公認会計士 住田 清芽氏

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 公認会計士 住田 清芽

〈編集部より〉

「監査上の主要な検討事項」(KAM)は強制適用からまもなく3年目を迎えようとしている。より良いKAMのためには何が必要なのか、日本公認会計士協会(JICPA)の常務理事在任時、導入に携わった住田清芽氏に聞いた。

1.実務に定着してきたKAM

―まずは、2年目までのKAMの総括からお聞かせください。

監査のプロセスにKAMがきちんと定着してきたのを感じます。現在、上場会社3社の社外役員を務めていますが、いずれの会社の監査チームも監査計画に「KAMに関するコミュニケーション」を組み込んでいます。「KAMについていつ、どのようなコミュニケーションをするか」をあらかじめ決めておくだけではなく、監査期間の早い時期に前期のKAMを踏まえた当期のKAM候補が提示されます。そして、期が進むにつれてそれらの候補に関する状況変化も説明されます。

同様のコミュニケーションは企業の執行側とも行われており、財務諸表の作成および監査プロセスにKAMが組み込まれていることと思います。

―監査人だけでなく、企業側にもKAMは定着してきているでしょうか。

そうですね。取締役会で、四半期レビューの...