JICPA 監査調書の適切な作成・保存を注意喚起

上場会社等監査人登録審査会も設置
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日本公認会計士協会(JICPA、茂木哲也会長)は3月17日、「監査ファイルの適切な整理並びに監査調書の管理及び保存に係る留意事項」とする通知を発出した。監査調書の不適切な管理により行政処分勧告を受ける監査事務所があることを踏まえ、適切な作成・保存体制の確保を求めている。また、同日には上場会社等監査人登録名簿への登録審査を行う会議体の委員を公表した。

行政処分勧告の事例も

発出の背景には、昨今監査事務所における監査調書の整理や管理、保存等に関して、適切な運用がなされていないことがある。これが原因で、監査法人の業務運営が著しく不当だとして公認会計士・監査審査会(CPAAOB)から行政処分勧告が行われた事例も出ている。こうした状況は、監査人が監査意見を表明するための合理的な基礎を得ていたかの疑念を生じさせ、社会からの信頼性を損なうことにつながりかねないとしている。

そこで同通知では「職業専門家として遵守すべき基準等に準拠し、監査調書の作成及び保存に関する体制の整備状況を確認し、その適切な運用状況の確保をお願いします」と要請。監査人は、監査基準等のうち個々の監査業務に関連するものは全て遵守する必要が...