東証 自社株買い・増配のみや一過性の対応は期待せず

プライム・スタンダードにPBR等の改善計画を要請
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東京証券取引所は3月31日、プライム・スタンダード市場の企業に対して、PBR(株価純資産倍率)やROE(自己資本利益率)などの改善計画の策定・開示等を要請した。企業価値向上に向け、資本コストや株価に対する意識改革を行うのが狙い。規則上の義務ではないがPBR1倍割れ企業に限らず両市場の全社に「できる限り速やかな対応」を求める。この他、プライム市場の企業には株主との対話の促進と開示も求めており、あわせて建設的な対話に資する「エクスプレイン」のポイントと事例も公表した。

持続的な成長へ抜本的な取組みを期待

1月に公表した「今後の東証の対応」を踏まえて要請した( No.3591・4頁3594・8頁 )。資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応では、①自社の資本コストや資本収益性を的確に把握し、その内容や市場評価に関して、取締役会で現状を分析・評価したうえで、②改善に向けた計画を策定・開示し、③その後も投資者との対話の中で取組みをアップデートしていく、といった対応の継続的な実施を求める。

①の現状分析に用いる指標に定めはない。例えば、資本コストやROE、PBR等が考えられるが、投資者との対話の中...