ASBJ パーシャルスピンオフ、実施会社の会計処理を優先か

税制改正を踏まえ早期に基準開発へ
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企業会計基準委員会(ASBJ、川西安喜委員長)は4月13日、第102回企業結合専門委員会を開催した。審議テーマは「パーシャルスピンオフ」(持分の一部を残しながら子会社等を独立させる手法)の会計処理。基準開発の範囲について議論したほか、事務局からパーシャルスピンオフの場合でも配当財産を時価ではなく、帳簿価額で処理する案などが示された。

基準開発の範囲

事務局は基準開発の範囲を検討するにあたり、5つの論点を示した。下記①はパーシャルスピンオフに関する税制改正が一定の要件を満たす「株式分配」を対象としていること、②は①の対象となる取引を実施した際に必要となることから優先すべき論点とした。③と④は対象が限定的。今後取引が増加した際に開発を検討するとしたが、同時の開発を求める意見もあった。

①スピンオフ実施会社(図表のA社)に一部の持分を残す株式分配(按分型)において、スピンオフ実施会社は配当財産の適正な帳簿価額をもって資本(その他資本剰余金またはその他利益剰余金)を減額すべきか②子会社株式を分配し支配を喪失した場合、スピンオフ実施会社は連結上、持分変動による差額を損益に計上すべきか、利益剰余金の増減...