実務視点で解説 「改正リース会計基準」公開草案の影響と対応について

三井住友ファイナンス&リース株式会社 経理部 副部長 松澤 宏樹

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企業会計基準委員会(ASBJ)から、5月2日、企業会計基準公開草案第73号「リースに関する会計基準(案)」及び企業会計基準適用指針公開草案第73号「リースに関する会計基準の適用指針(案)」(以下、合わせて「公開草案」という)が公表されました。

公開草案の内容は、ASBJをはじめ、専門家から多くの解説がなされています。本稿ではそれらも踏まえて、公開草案がそのまま最終基準化された場合に、どのような点に留意すればよいか、実務対応の観点から解説します。

なお、今回の改正は、借手の会計処理変更が中心であり、本稿でも借手を中心に説明します。また実務者が概要をつかむことを主眼とするために、詳細な会計処理には触れず、表現も一部変えて説明している部分があることをお断りしておきます。また、文中の意見に関する部分は筆者の私見であり、筆者が所属する組織の見解を示すものでないことを申し添えます。

リースは会社規模、業種を問わず、多くの会社で利用されています。本稿が実務対応を検討する際の理解の助けになればと思います。

最初に、会計上の取扱いに変更がある項目、大きな変更がない項目、また適用にあたって留意したい個別論点を一覧...