Q&Aコーナー 気になる論点(341) リース会計基準案(5)

‐サブリース取引の取扱い‐

早稲田大学大学院 会計研究科教授 秋葉 賢一

( 34頁)

 企業会計基準委員会(ASBJ)が、2023年5月2日に公表した企業会計基準公開草案第73号「リースに関する会計基準(案)」(リース会計基準案)及び企業会計基準適用指針公開草案第73号「リースに関する会計基準の適用指針(案)」(リース適用指針案)では、サブリース取引について、セール・アンド・リースバック取引と同様に、IFRS第16号「リース」と同様ではなく、米国会計基準と同様の会計処理を提案しているのでしょうか。

リース適用指針案では、サブリース取引について、米国会計基準ではなく、IFRS第16号と同様の会計処理を提案しています。ただし、中間的な貸手は、基本となる会計処理だけではなく、サブリースがファイナンス・リース(FL)となる場合でも、例外的に、損益を各期に配分して認識する処理も提案しています。

〈解説〉

リースの分類

現行の企業会計基準第13号「 リース取引に関する会計基準 」では、借手も貸手も、リース取引をFL取引とオペレーティング・リース(OL)取引の2つに分類します。

しかし、リース会計基準案では、国際的な会計基準との整合性を図るために、使用権モデルにより、すべてのリースについて、借...