「テーブル」からはじめる「モダンExcel」第2回 テーブルで数式を分かりやすくする「構造化参照」

一般社団法人価値創造機構 理事長・公認会計士 村井 直志

( 22頁)

前回(第1回。 No.3615・28頁 )は「テーブル」の歴史的背景から紐解き、なぜ「テーブル」を使う必要があるのか、「テーブル」の効能などを概説しました。

今回は「テーブル」を使う大きな意義の一つである「構造化参照」について解説します。構造化参照で数式をより分かりやすく記述することが可能となり、「数式の可読性」を高められることから、エクセル業務の引継ぎなどにも有効です。

「構造化参照」については、マイクロソフト社の1次情報「Excelテーブルでの構造化参照の使い方」 も参考にすると良いでしょう。

1.「構造化参照」の意義

例えば、あるセルに「=A111-Z999」の数式の結果として「20」が計算・表示されているとします。その意味合いをこの数式だけで理解するのは不可能でしょう。他方、「=売上-経費」の数式の結果として「20」が計算・表示されていれば「利益」が計算・表示されていることが分かるはずです。これが「テーブル」の「構造化参照」の効果です。別の事例で詳しく見ることにします。

「セル」思考の従来エクセルでは、H4からJ4までのセルを合計する際、「=SUM(H4:J4)」のように数式を記述することが...