IASB IAS第1号の改訂などを見込む

気候関連以外のリスクにも対応
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国際会計基準審議会(IASB)は9月20日のボード会議で、2023年3月に開始した「財務諸表における気候関連リスク」プロジェクトについて、取扱い範囲を気候関連リスク以外にも拡大することを決定した。今後は、IAS第1号「財務諸表の表示」の改訂の可能性も含めた方策を検討する。

「その他の不確実性」も範囲内に

「財務諸表における気候関連リスク」プロジェクトは、第3次アジェンダ協議(2021年3月公表)において関係者が「優先度が高い」としたことを受けて開始した( No.3599・9頁 )。その後、IASBスタッフが調査分析を進めてきた。

調査の中でスタッフは、プロジェクトで取り扱う範囲を気候変動以外のリスクにも広げ、目的を「一般化」(generalise)すべきかどうかも利害関係者に尋ねた。刻一刻と変化する世界情勢や、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)が気候関連以外のサステナビリティ事項も検討範囲としていることなどを踏まえてのものだ。

これに対して多くの関係者は、一般化を支持。原則主義をとるIFRS会計基準の在り方とも整合するとした。また、現時点で範囲を広げておけば、将来的に生物多様性に関するリス...