SSBJ S2基準、GHG排出の議論を開始

排出範囲について3つのアプローチを提案
( 06頁)
サステナビリティ基準委員会(SSBJ、川西安喜委員長)は9月19日、第21回委員会を開催した。国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)のS2基準を参考に、温室効果ガス(GHG)排出について議論した。SSBJ事務局は、排出範囲について3つのアプローチから1つを選択することや、連結会計グループとその他の投資先に分けて、スコープ1・2の開示を求める提案をした。

持分割合と2つの支配力アプローチ

今回からGHG排出についての議論が始まった。まずはGHGなど用語の定義をISSB基準と整合的に定めることを事務局が提案。そのうえで、報告企業(連結財務諸表を作成している場合は連結財務諸表に含まれる企業集団、連結財務諸表を作成していない場合は個別財務諸表を作成する企業)に含める排出範囲の決定方法についても次の通り整合的に定める。

報告企業に含めるGHG排出の範囲を決定する方法を次のうち1つ選択する。①持分割合アプローチ:子会社等の投資先のGHG排出量のうち、持分割合で報告企業の排出量に含める。②経営支配力アプローチ:報告企業が、子会社等の投資先の意思決定機関の支配等を通じて、経営方針を決定する力をもつ場合、...