<IFRS COLUMN>暖簾に腕押し 第95回 概念フレームワーク(11)

 国際会計基準審議会(IASB)前理事 鶯地 隆継

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大河ドラマ

大河ドラマは1963年から放送されているNHKの歴史ドラマシリーズである。現在は徳川家康が主人公のドラマが放映されている。年平均で40%近い視聴率を記録したこともある国民的ドラマである。大河ドラマは戦国時代や明治維新など歴史が大きく動いた時代の英雄を主人公にして、その人の人生を一年間かけてじっくり追う。そのため歴史の勉強にもなり、筆者も子供の頃から毎年視聴して大きな影響を受けた。

ただ、60年近く続いているシリーズなので、家康や信長など何度も取り扱われている。ドラマなので、脚本家によって人物表現も異なり、歴史的な事件についても解釈が異なる。そのたびに議論になるのが、史実と違うのではないかという点である。たとえば、徳川家康と武田信玄が、本人同士で会っていたとか、一般的に史実とは考えられていない場面が出て来ることもある。あくまでもドラマなので、脚色の一部なのだが、歴史マニアから強く批判されることもある。

史実に対して忠実なのかどうかがポイントで、大河ドラマのような影響力のあるドラマは教育的観点や、国民の常識形成の観点から、史実に忠実であるべきであるという意見もあれば、しょせんドラマな...