<IFRS COLUMN>暖簾に腕押し 第96回 概念フレームワーク(12)

 国際会計基準審議会(IASB)前理事 鶯地 隆継

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天気予報

天気予報の精度は、この十数年間で格段に上がったと感じている。地域を細かく分割して、時間ごとの予報が出る。雨雲レーダもリアルタイムで細かく動きを追いかけることができる。10分後に雨が降りますと、携帯電話の警報が鳴ると、本当に10分後に雨が降ってくる。近未来の世界にいるみたいだ。

ただ、それでも東京での雪の予報は非常に難しいという。というのも気温が1度変わるだけで雪になるか雨になるかが変わる。さらに大雪の予報となると、ことのほか難しいのだそうだ。南岸低気圧の進路がほんの少し変わるだけで大雪になったり、まったく雪が降らなかったりするのだそうである。

2015年から2022年までの間に東京で16回雪の予報があり、8回当たり8回はずれている。勝率は5割に過ぎない。ただ、はずれた8回の内訳をみると、空振りが6回で、見逃しが2回だという。空振りとは、大雪が降るぞと予報しておきながら、雪がほとんど降らなかったということで、見逃しは、雪は降らないだろうという予報を出したのに、実際には大雪になったというものである。

ただ、空振りが多いのには理由がある。それは、発達中の南岸低気圧が本州の南岸を通過する場合...