小説 会計士日記 episode 25
中岡早雄
( 36頁)
20X1年8月10日 17:40 暑気払い
「海老塚さん、今17時40分なのでそろそろ行きますか?」
「はい、私はいつでも出られます」
「では、行きましょう」
部屋の電気を消し、オフィスを出てエレベーターで降りてビルの外に出た。
「タクシーにしましょう」
タクシー乗り場にタイミングよく1台が客待ちしており、2人で乗り込んだ。
「神保町のランチョンに行きたいんですけど、場所分かりますか?」
「はい、分かりますよ」
「ありがとうございます。よろしくお願いします」
タクシーが走り始めた。スマホをバッグから取り出すと、LINEに加藤さんと蘇我さんからのメッセージが届いていた。2人とも時間通り18時には到着するとのことだった。
「海老塚さん、加藤さんも時間通りに来られるとのことでした。あと、さっきのPPAを紹介してくれた蘇我さんも来てくれます」
「加藤さんには先月お会いしましたが、蘇我さんは初めてです」
「僕も加藤さんも、蘇我さんが前に勤めていた会社の仕事を一緒にしたことがあって、定期的に飲んでるんです。良い人なので全然気を使わなくて大丈夫ですからね」
「はい、お会いできるのが楽しみです。同じ監査法人だったのですか?」
「僕...
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