SSBJ事務局が答える サステナビリティ開示Q&A 第7回 サステナビリティ情報の開示は親会社のみが対応すればよいのか

サステナビリティ基準委員会事務局 専門研究員 小川 智之

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 サステナビリティ基準委員会(SSBJ)が開発しているサステナビリティ開示基準(SSBJ基準)におけるサステナビリティ情報の開示は、親会社のみが対応すればよいのでしょうか。

 SSBJ基準の公開草案(SSBJ基準案)では、サステナビリティ関連財務開示は、関連する財務諸表と同じ報告企業を対象とすることが提案されています。そのため、報告企業が連結財務諸表を作成している場合には、当該連結財務諸表に含まれる子会社においても、サステナビリティ関連財務開示への対応が求められることになります。

解説

1.サステナビリティ関連財務開示の位置づけ

SSBJ基準案では、サステナビリティ関連財務開示は、財務諸表に含まれる情報を補足し、補完するものとしています。したがって、サステナビリティ関連財務開示を作成する企業と、サステナビリティ関連財務開示に関連する財務諸表を作成する企業が同一であることにより、サステナビリティ関連財務開示と財務諸表とを関連付けることが可能になると考えられます。

2.報告企業とは何か

SSBJ基準案では、サステナビリティ関連財務開示を報告の対象とする企業の範囲を表現するにあたり、「報告企業」とい...