<IFRS COLUMN>暖簾に腕押し 第115回 概念フレームワーク(31)
国際会計基準審議会(IASB)前理事 鶯地 隆継
竹取物語
かぐや姫のおとぎ話として知られる竹取物語は日本最古の物語とされており、その成立は9世紀後半から10世紀初頭頃ではないかと言われている。世界最古の長編小説とも言われる源氏物語よりもさらに100年前後早い年代に記されたもので、源氏物語の中ですらも古典という扱いになっている。
それほど古い竹取物語であるが、その内容はハリウッド映画顔負けのファンタジーに溢れた見事なSFスペクタクルである。
竹から生まれたかぐや姫は、その美しさから、多くの男性から求婚される。そして最終的に5人の貴族の公達(きんだち)がオーディションに残る。かぐや姫が5人の公達に課した課題は過酷を極め、ある者は命の危険にすら晒されるがオーディションでは誰も選考されない。一方で、帝もかぐや姫の姿を一目見ようと狩りを装ってかぐや姫と接触する。しかし、かぐや姫は一瞬のうちに光となって消えてしまう。ただ、これを契機にかぐや姫と帝は文通を始める。
月日が経ち、かぐや姫は月を見て泣くようになり、実は自分は月から来た者で、もうすぐ月から迎えが来ると告白する。そのことを知った帝は、かぐや姫を守ろうと軍勢を差し向ける。しかし天上から降りて来た迎...
- 経営財務データベースで続きを読む
-
無料 2週間のお試しはこちら
すぐに使えるIDをメールでお送りします