会計基準の長い日々 第9回 民間設定主体、ついに誕生!(その2)

~当初人事を巡って

 公認会計士 西川 郁生

( 60頁)

当初人事を巡って

設立に向け、人事も並行して進んだ。関係者は、官界、経済界、会計士などの各セクターから新財団に人を出し合うことを考えていた。塩崎議員は「財団事務局に大蔵官僚を置くことはまかりならぬ、キャリア、ノンキャリアを問わず、誰一人入れてはならない」という姿勢を示したという。その結果、大蔵キャリアをFASFの常勤の事務局長に据えるのは難しくなり、結局経済界から人を出すこととなった。一方でノンキャリアまで排除する必要はないとの妥協に至り、事務局次長は大蔵省出身で前身のCOFRI事務局在籍者が就くこととなった。

私は奥山JICPA副会長から、新しい委員会に常勤委員として参画するよう要請されていた。財団の設立より前にJICPAの理事選挙がある。立候補予定者(当選すれば4期目)となるよう求められたが、正式立候補の前に他の方に差替えてもらった。勤務先法人には内々に転出の話をしていた。それを知らない法人幹部から大手監査先の合併対応として関与社員の打診を受けた。事情を話してすぐに断った。

財団設立準備案では、常勤委員には出向を認めず、勤務先を退職して財団に勤務することが求められた。委員は任期が3年で連...