ミニファイル バスケット条項

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適時開示の項目については上場規程で列挙されているが、なかでも判断が難しいのが「バスケット条項」である。

バスケット条項とは、「投資者の投資判断に著しい影響を及ぼす事実」について、その事実が確定した時点(決定事実)や発生を認識した時点(発生事実)で開示が求められるもののこと。問題となるのは、東証が定める個別の開示項目に該当しない場合でも、バスケット条項に該当すれば開示義務が生じる点である。そのため、開示の漏れが発生する事例が少なくない。

特に多く見られるのが、「資金の借入」や「有価証券の売却」の決定事実、および「子会社からの配当金」や「補助金・助成金収入」の発生事実に関する開示漏れだ。これらは、開示...