有価証券報告書の定時株主総会前の開示に係る金融庁の取組について

金融庁 企画市場局 企業開示課 課長補佐 山田 有也
金融庁 企画市場局 企業開示課 課長補佐 金子 慧史
金融庁 企画市場局 企業開示課 専門官 白月 秀和
金融庁 企画市場局 企業開示課 係長 見上 竜
金融庁 企画市場局 企業開示課 係員 中村 拓巳

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Ⅰ.はじめに

有価証券報告書の定時株主総会前の開示(以下「総会前開示」という。)について、投資家と企業の建設的な対話を実現する観点からは、本来、有価証券報告書が株主総会前に開示されることが望ましいと考えられる。

近時、記載事項の充実により、投資家の意思決定のための有価証券報告書の重要性は増しているところ、金融庁は、2024年12月に「有価証券報告書の定時株主総会前の開示に向けた環境整備に関する連絡協議会」(以下「連絡協議会」という。)を設置し、官民の関係者と連携して、有価証券報告書の適切な開示時期や実務上の課題に関する検討を行った

その後、昨年3月に金融担当大臣より全上場会社に対する要請文を発出したところ、関係者の方々のご尽力もあり、2025年3月期決算上場会社における総会前開示の実施率は57.7%となり、前年同期の1.8%に比して著しく増加した

他方で、2025年3月期に総会前開示を行った上場会社の8割が、株主総会の前日ないし2日前の開示に留まっていることからも、総会前開示の促進に向けた環境整備の取組は不変に重要である。

本稿では、総会前開示を促進する取組の一環として、金融庁が本年2月...