※ 記事の内容は発行日時点の情報に基づくものです

[全文公開] 編集室だより

( 122頁)

◆グローバル・ミニマム課税制度では、確定申告書のみならず「特定多国籍企業グループ等報告事項等(いわゆる情報申告書)」の提供が必要で、いったいどのような情報提供が求められるのか関心が高まっています。既報のとおり、先日、OECDからこの情報申告書に係る記載事項や書式の内容が公表されました。今月号の特集「 グローバル・ミニマム課税に関する情報申告(GIR)の概要 」では、この情報申告について、制度の構造に沿ってポイント等を解説し、実際の記載事項の重要な部分については日本語訳も併せて記載しています。GMT課税制度についてより踏み込んだ理解・把握をするためにも、この情報申告で求められている内容について、ぜひご確認ください。(A.K)

◆グローバル・ミニマム課税制度(GMT課税)における所得合算ルール(IIR)と外国子会社合算税制(CFC税制)に関しては、CFC課税がある場合、一般的にはIIR課税はない、と考えられているようですが、親会社と海外子会社の決算期や会計処理の違いなどで、CFC子会社の同一の会計年度で双方課税のケースがありうることに留意しておく必要があると指摘されています。本誌連載「租税事件の論点からアプローチする実務国際課税」の秋元秀仁氏に留意点と課題を整理していただきました。(S.N)

◆税務リスクマネジメントに関する職業会計人や弁護士などの専門家による解説は多数存在しますが、企業の経営戦略のひとつである「税務戦略の進め方」に関する論考といったものはあまりないようです。そこで、「どのようにしたら税務戦略の成果の定量化ができるか」について、長年税務に携わってこられた日東電工株式会社の渡會直也氏に提言していただきました。なお、「声でとどける税務通信」の「税務マネジメントLob」では、渡會氏と実務家諸氏との対談のもようをPodcastでお聴きいただけます。(S.N)

◆DOMESTIC NEWSでも触れていますが、各省庁の令和6年度税制改正要望が出そろい、財務省HPで公表されました。令和6年度税制改正では、軽課税所得ルール(UTPR)や国内ミニマム課税(QDMTT)など第2の柱(グローバル・ミニマム課税)関連の改正が見込まれており、経済産業省からは令和6年度も引き続き、外国関係会社の絞り込み・判定の簡素化など、外国子会社合算税制の実務において企業負担の軽減を求める要望が行われています。(Y.Y)

◇次号(2023年11月号)

・OECDのGloBEルール執行ガイダンスについて

・各国の申告書を読み解く 第5回 インド

※掲載内容は変更となる場合があります。