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法人税 法人税重要事例検討:売上及びその他の収益編―6(収益計上の時期)

 税理士 古川 浩二

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先月に引き続き、法人税の実務において重要、かつ、誤りやすいと思われる事例について検討します。

今回も、売上その他の収益に関する事例を取り上げます。

Q1 委託販売取引の収益の計上時期は委託者からの精算書が到着した日か又は法人が直接出荷した日か

当社(以下「A社」といいます。)は、澱粉製造業を営む9月決算法人です。

当社は、B協同組合との委託販売契約に基づき、全国澱粉協同組合連合会宛に澱粉を販売しています。

その取引形態は次のとおりです。

① この委託販売契約は通常の委託販売とは異なり、委託販売の目的となっている澱粉(委託販売商品)が委託者であるA社に保管、管理されたままの状態にあり、B協同組合からの出荷指...