※ 記事の内容は発行日時点の情報に基づくものです

法人税 法人税重要事例検討:寄附金等―1

 税理士 古川 浩二

( 90頁)

先月に引き続き、法人税の実務において重要、かつ、誤りやすいと思われる事例について検討します。

今月から、寄附金等に関する事例を取り上げます。

Q1 市への寄附金が損金の額に算入されない場合

当社(以下「A社」といいます。)は遊園地の経営及び旅館業を営む5月決算法人です。

当社の代表取締役乙の配偶者であり当社の従業員でもある甲は、令和2年3月15日に、甲の出身地であるP市に対して、保育園建設資金及び小学校の備品購入費として、総額502万円の寄附を行いました。なお、当社の本店はP市の所在する県とは別の県にあり、P市からは離れた地域にあります。

この寄附金のうち一部は甲の個人預金から出金しましたが、残額につい...