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特集2 【特別解説】ICOによる資金調達を巡る税務

 税理士 佐藤 善恵

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はじめに

暗号資産(仮想通貨)は、インターネットを通じて支払手段として使用できるものとして知られるようになりました。これには、ビットコインをはじめとして様々な種類が存在し、その取引量は増加傾向にあります。

暗号資産に関する取引の一つにICO(Initial Coin Offering)というものがあります。

ICOに関する法的な定義はありませんが、一般的には「暗号資産を用いた資金調達」と説明されています。また、株式の新規発行(IPO)になぞらえて説明されることもあります。しかし、ICOには資金の拠出者に対して収益分配や資金償還を約束していないものが多くあります。

ICOで資金拠出の証として発行されるも...