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特集1 所有者不明土地の解消における法整備と対応

 司法書士 福田 修平

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はじめに

相続された不動産における登記の申請は義務ではなく、申請しなくても不利益を被ることは少ないとされています。都市部への人口移動や人口減少・高齢化の進展等により、地方を中心に、土地の所有意識が希薄化・土地を利用したいというニーズも低下する背景もあり、この状況が加速している現状となっています。このまま、遺産分割をしない相続が繰り返されると、土地共有者がねずみ算式に増加していくこととなり、その後、整理するには、所有者の探索に多大な時間と費用が生じる事態となります。

その結果、共有者が多数、又は一部所在不明となると、土地の管理・利用のために必要な合意形成が困難となり、公共事業や復旧・復興事業が円滑に...