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税金裁判の動向【今月のポイント】第251回 高級自動車の「使用又は期間の経過により減価する資産」該当性

立命館大学法学部 教授 安井 栄二

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譲渡所得の対象となる資産が減価償却資産である場合は、業務用か否かを問わず、譲渡所得の算定の際に、当該資産の取得価額から保有期間に係る減価の額を控除して取得費が計算されます( 所法38 ②)。そして、一般的に自動車は、 所得税法2条 1項19号が減価償却資産として明示する「車両及び運搬具」に該当し、「使用又は期間の経過により減価する資産」にあたると考えられます。

他方で、高級自動車の中には生産台数が少なく希少性があることから、相当長期にわたってもなお市場価格が下落しなかったり、むしろ上昇しているものもあります。そうすると、そういった高級自動車は、所得税法施行令6条括弧書きにいう「時の経過によりその価値の減...