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税金裁判の動向【今月のポイント】第256回 司法修習生が受けた基本給付金の非課税所得該当性

青山学院大学法学部 准教授 道下 知子

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司法修習生は、修習期間中に最高裁判所から修習給付金として金銭給付を受けることとなっており、その給付金の種類は、基本給付金、住宅給付金及び移転給付金の3種類です(裁判所法67の2①②)。

それでは、このように特殊な金銭給付の課税上の取扱いはどのように解されているのでしょうか。今回は、この修習給付金のうち基本給付金が所得税法上の非課税所得として「学資に充てるため給付される金品」( 所法9 ①十五)に該当するか否かについて争われた事例について紹介しましょう。

事実の概要

X(原告・控訴人)は第71期司法修習生であった者であり、平成29年11月27日から平成30年12月12日までの間、司法修習に従事して、平成3...