[全文公開] 個別指定の後出し申請

新型コロナウイルス感染症の影響を受け,法人が期限内申告できない場合,「個別指定」の適用により申告期限を延長できる( 通法11 , 通令3 ③④, №3596 参照)。
個別指定による延長は,災害等の“やむを得ない理由”のやんだ後 相当期間内(おおむね1か月以内) に申請書を提出すればよいため,本来の申告期限が過ぎた後,つまり 後出し での申請が可能だ。ただ,延長を受けるには税務署長の“承認”が必要で,承認が得られなければ期限後申告となり延滞税等が課されるリスクがあるが,“やむを得ない理由”が新型コロナの影響によるものであれば基本的には承認されるという。
国税庁が3月25日に公表した新型コロナ対策の取扱いFAQでは,“やむを得ない理由”について次のような具体例が示された(同FAQ・2-問2)。
〇次の事情により通常業務が維持できない
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・社員感染判明等による経理担当部署の閉鎖
・感染防止で経理担当者の多くが休暇を取得
〇感染拡大防止で株主総会の開催時期を延期
上記のような状況とは異なり,新型コロナによる影響の実態がないのにもかかわらず延長申請した場合は,承認されないおそれもあるという。新型コロナによる影響は,企業の業種や状況によりさまざまであるため,承認を得られるかどうか不安な場合は,本来の申告期限前に所轄税務署に相談するとよいだろう。
新型コロナに係る延長の申請書には,部署の閉鎖や業務制限などの法人の状況,税理士の関与状況,緊急措置の概要など,具体的な事実を記載する必要がある。申請書の提出に代えて,申告書等の余白にこれら内容等を記載することも可能とされている(同FAQ・2-問6)。
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