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[全文公開] 類似業種平均株価表と標本会社

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国税庁はこのほど,令和2年分(1・2月分)の類似業種平均株価表を公表した。前年分から業種目及びその内容に変更はなく,日本標準産業分類に基づき全113業種に区分されている。

相続等で取得した財産の価額は時価で評価するところ( 相法22 ),非上場株式の時価は,上場株式のように市場価格がない。財産評価基本通達では,具体的な評価方法が示されており,その方法の1つである“類似業種比準方式”で同株価表を使用する。

令和2年分の株価表では,元年11・12月分の株価も記されているが,既に元年分の株価表で公表された元年11・12月分の株価と数値が異なる業種が散見されるだろう。差異が生じたのは,類似業種の株価等の計算の基となる「標本会社」として採用又は除外される会社に変動等があったためだという。

そもそも「標本会社」は,金融商品取引所に株式を上場している全ての会社を対象としているが,株価等を適正に求めることができない会社,具体的には,“本年中に上場廃止の見込みがある”,“資本金の額等が0又はマイナス”などの会社は除外される。例えば,元年分では標本会社であった企業Aが令和2年中に上場廃止となる場合,企業Aの株式に係る毎日の最終価格の各月平均額を12月まで求めることができないため,2年分では標本会社から除外される。元年分では除外されていた企業が,2年分の標本会社となったケースもある。

なお,令和2年中に相続等があり,元年11・12月分の株価を用いる場合には,令和2年分(1・2月分)で示された数値を使用することとなる。