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[全文公開] 今週のFAQ(4/1/17)<次の改正に向けた経済界へ期待>

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令和4年度与党税制改正大綱には,次の改正に向けて経済界に重要なメッセージがあったようですが,どのようなものでしょうか?

令和4年度与党税制改正大綱の基本的考え方に「未来への投資等に向けた経済界への期待」と題する一文が掲載されています。この一文では,法人実効税率の引下げをはじめとする近年の累次の法人税改革について「意図した成果を上げてこなかったと言わざるを得ない」などとしたうえで,企業に対して次のようなメッセージを発信しています(一部抜粋)。

「成長と分配の好循環」は,企業が果敢に事業の革新に取り組み,付加価値の高い製品・サービスを生み出すことでマークアップ率を高めるとともに,その利益を元に次なる投資を行いつつ,株主だけでなく従業員,取引先,地域社会などの多様なステークホルダーに継続的に還元し,企業収益の更なる増加につなげていくことで実現する。「コロナ後の新しい社会の開拓」に向けて,デジタルトランスフォーメーションや脱炭素化,「人」への投資などへの取組みがより一層重要となる中,他の先進国との間に生じてきた所得や競争力の差を縮小するためにも,企業においては,リスク回避や横並びの意識を排してアニマルスピリッツを取り戻し,イノベーションに挑戦することが期待される。

また,文末では,「来年以降,経済界の取組状況等も見極めつつ,積極的に未来への投資に取り組む企業に対しては真に有効な支援を行うとともに,十分な投資余力があるにもかかわらず活用されていない場合に,企業の行動変容を促すためにどのような対応を講ずるべきかといった視点からも,幅広く検討を行う」としており,次の改正に向けた考え方が示されています。

(K)