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暗号資産の損失と所得計算

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暗号資産交換業大手のFTXトレーディングが経営破綻したことで、個人投資家の多くが資産の行方に注目している。日本法人のFTXジャパンも対象に含まれており、同日本法人からの出金が可能かどうかに注目が集まるが、税務上、単に出金が難しい状態にあるだけでは、資産に係る損失を計上することはできない。

暗号資産取引をはじめ、雑所得を生ずべき業務を行う際に生じた資産損失の金額は、その損失が生じた年分の雑所得の金額を限度として、必要経費に算入する(所法51④)。ただ、業務遂行上の貸倒れについては、①法律上の貸倒れ(所基通51-11)、②事実上の貸倒れ(所基通51-12)、③形式上の貸倒れ(所基通51-13)のうち...