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[全文公開] 申告誤りと自主点検

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3月決算法人の法人税等の申告が期限を迎える。申告期限後、内容の誤りに気付いた場合は修正申告や更正の請求といった対応が求められる( 通法1923 )。申告誤りを未然に防ぐには、国税庁が公表している2種の自主点検用資料を活用するとよいだろう。

同資料のうち「申告書確認表」は、提出直前の申告書を自主点検するため、原則として資本金1億円以上の調査課所管法人向けに同庁が提供しているチェックシート。主に確認内容、確認結果、留意事項に大別され、内国法人用では103の確認内容がある。留意事項では、例えば「所得金額の計算・利益積立金額及び資本金等の額の計算(別表四・別表五(一))」において、組織再編成が行われた際、「利益積立金額及び資本金等の額の調整を行っていない場合には、特定同族会社の課税留保金額等の計算に誤りが生じることがあります」のように、申告誤りとして想定される事由等を示している。連結納税制度からグループ通算制度への移行に伴い、かつては4種類だった確認表の様式も、令和4年4月1日以後開始事業年度等分から内国法人用、内国法人(グループ通算制度適用)用、外国法人用の3種類となった。

自主点検用資料のうち、申告書作成前の決算調整事項や申告調整事項の把握漏れ等の自主監査には「大規模法人における税務上の要注意項目確認表」を用いるとよいだろう。役員給与の損金算入額や交際費等の支出の相手方など、主要な勘定科目ごとに適否を確認できる。

両確認表とも提出義務はないが、活用状況を把握するため、会社事業概況書の総括表に活用の有無を問う欄が設けられている。どちらも今年2月にPDF版と直接編集が可能なExcel版が国税庁HPで公表されており、ダウンロードが可能だ。