概要
<通達本文>
確定申告書を提出する法人の各事業年度開始の日前10年以内に開始した事業年度において生じた欠損金額は,その事業年度開始の日の区分に応じて当期の所得金額の100分の80から100分の50までに相当する金額を限度として損金の額に算入される。ただし,欠損金額の生じた事業年度に確定申告書を提出し,かつ,その後も連続して確定申告書を提出していること及び欠損金額の生じた事業年度に係る帳簿書類を財務省令で定めるところにより保存していることを要する(法57①⑩)。
なお,各事業年度終了の時において次に掲げる法人に該当するものにあっては,「当期の所得金額の100分の80から100分の50までに相当する金額」ではなく「当期の所得金額」を限度として損金の額に算入される(法57⑪)。
① 普通法人(投資法人,特定目的会社及び法人税法第66条第6項《各事業年度の所得に対する法人税の税率》に規定する大通算法人(以下「大通算法人」という。)などを除く。)又は資本等を有しないもの(相互会社及び大通算法人を除く。)
② 公益法人等又は協同組合等
③ 人格のない社団等
(注) 平成23年12月の税制改正により,青色申告事業年度の欠損金の繰越期間が9年間(改正前:7年間)とされるとともに,上記①から③までに掲げる法人を除き,当期の所得金額の100分の80に相当する金額を控除限度額とすることとされている。
さらに,平成27年度と平成28年度の税制改正により,控除限度額が当期の所得金額の100分の80に相当する金額から100分の50に相当する金額に段階的に引き下げられるとともに,平成30年4月1日以後に開始する事業年度において生じた欠損金額の繰越期間が10年間(改正前:9年間)とされている。
また,法人を合併法人とする適格合併が行われた場合又は法人との間に完全支配関係がある他の内国法人の残余財産が確定した場合に,被合併法人又は当該他の内国法人に適格合併の日又は残余財産の確定の日の翌日前10年以内に開始した各事業年度において生じた欠損金額(法57②等)。
(注) 令和2年の税制改正により,通算制度における制度の複雑化を避けるため第58条の構成が改組されたが,実質的に税制改正前の規定から内容の変更はない。
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