収用等による不動産の売買契約中に相続の開始があった場合(2-1-1(2))

※ 本コンテンツは刊行日時点の情報に基づくものです

<問>

<事実関係>

1.家族構成 夫・妻・子A・子Bの4人

2.夫は昨年11月に,40年間居住し所有していた自宅建物とその敷地を,道路拡幅のため東京都に売買する契約を締結しました。 その対価補償金は1億円でした。そして,その補償金の80%の8,000万円を契約時に受領し,残り20%の補償金は,来年の1月の土地の引渡時に受領する約束です。

3.夫は受領した8,000万円のうち,4,000万円を使い,新しく住むための土地を購入し,所有権移転登記を今年2月に済ませました。

4.その後,夫は今年4月に急逝しました。

5.夫の相続財産は, 預金  4,000万円(8,000万円-4,000万円) 土地  4,000万円(仮に相続税評価額と購入価額が同じとして) 未収入金(売買代金債権) 2,000万円 であることは,承知しております。 なお,他の財産は金額が僅少のため無視します。

6.不動産の譲渡所得税の申告については,夫は引渡基準を選択しています。したがって今年3月の確定申告では,昨年分の譲渡所得の申告はしておりません。 来年の土地の引渡時において,相続人は措置法第33条の4の5,000万円控除の特例を適用するつもりです。

<質問事項>

遺産分割協議書の書き方と,相続税申告及び所得税申告の関連する以下のことについてご教示ください。

(1) 遺産分割協議書で,「東京都との売買契約の地位を,妻2分の1 子Aが2分の1を承継する。」と記載すると,相続財産である預金,土地,未収入金もすべてこの2分の1ずつ相続したと考えるのでしょうか。それとも未収入金だけでしょうか。 この場合に,所得税申告も,2人で2分の1ずつ申告することになりますか。

(2) 遺産分割協議書で,「預金4,000万円は,子Aが2,000万円,子Bが2,000万円を相続し,土地と未収入金は妻が相続する。」と記載すると,所得税申告はどのような割合で行うのでしょうか。 それとも,そもそもこのような個別の財産毎に遺産分割することはできず,上記(1)のように売買契約の地位を承継するという考え方しかとれないのでしょうか。

(全文 文字数:2221文字)

質問(1)について

遺産分割は,相続の開始の時に………

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