取引相場のない株式を従業員持株制度に基づき個人間で売買する場合の売買価額(2-1-5(2))

※ 本コンテンツは刊行日時点の情報に基づくものです

<問>

今回,新たに従業員持株会( 民法667① に基づく組合)を設立し,この際に従業員持株会に対し,同族会社の社長一族(中心的な同族株主)及び同族株主に該当しない株主(社長一族との特殊関係はなく,発行済株式の内5%未満の所有株主である役員,使用人兼務役員,一般社員も含む)が保有している株式を一時に譲渡する予定でいます。この譲渡時の値段については,適正な時価( 所基通59-6 )で譲渡しなければならないのでしょうか。所得税法第59条は法人に対するものという事ですが,従業員持株会は法人に該当しないと思われます( 法基通1-1-1 )ので,通常の第三者間との取引と同じようにお互いの話合いで決めた値段(例えば財産評価基本通達で計算した金額より安い値段)で決定しても税務上問題ないでしょうか。今回,従業員持株会規則において一律に値段を設定(財産評価基本通達の特例的評価方式である配当還元評価方式よりもやや上回る金額)する予定でいます。

相続税法第64条との兼ね合いで,社長一族に対して,何か税務上問題点があるように思われます。また,社長一族以外の株主に対してはどうなるのでしょうか。それぞれの売主側と買主側の税務上の扱いをご教示くだされば幸いです。

従業員持株会の他に,役員持株会を設立したときの扱いは,どのようになるでしょうか。役員という事で,従業員持株会の値段を上回る適正な時価になりますか。

(全文 文字数:3139文字)

1 株式の譲渡者について

民法第667条の組合契………

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