3 一括償却資産の損金算入
一括償却資産の損金算入については、次の点に留意する必要があります。
① 取得価額10万円未満の少額の減価償却資産も適用対象となる。 ② 通常の減価償却との選択適用となる。したがって、通常の減価償却の方が償却額が多くなる場合は通常の減価償却を選択することもあり得る。 ③ 通常の減価償却との選択適用単位は、全部ではなく、個々の資産ごとである。つまり「つまみ喰い」できるということになる。 ④ 一括償却資産の損金算入は、損金経理した金額のうち損金算入限度額に達するまでの金額を認めるというものであるから、損金経理した金額が損金算入限度額を超える場合は、その超過額は当然に損金不算入となる。 ⑤ 一括償却資産の損金算入をする場合に、損金経理した金額には、一括償却対象額につき損金経理をした金額のうち各事業年度の所得の金額のうち損金の額に算入されなかった金額を含むことになる(令133の2⑨)。つまり、通常の減価償却と同様に損金算入限度超過額があった場合は翌期に繰り越すことができるというわけである。 ⑥ 一括償却資産の損金算入は、一括償却資産を事業の用に供した日の属する事業年度の確定申告書(仮決算による中間申告書を含む。)に一括償却対象額の記載があり、かつ、その計算に関する書類を保存している場合に限り、適用される(令133の2⑪)。また、一括償却対象額につき損金経理をした金額がある場合には、その損金の額に算入される金額の計算に関する明細書を確定申告書(仮決算による中間申告書を含む。)に添付しなければならない(令133の2⑫)。 ⑦ 一括償却資産の損金算入は、対象資産の個別管理をしないという考え方をもっており、また、損金算入限度額が設けられている関係から、中途に除却があった場合の除却損や譲渡があった場合の譲渡原価は、損金算入限度額まで損金経理している限り損金の額に算入することはできない(基通7-1-13)。逆に、償却中途でその対象資産が遊休となったとしても、償却を休止することなく損金算入を続けていくことになる。 ………
(全文 文字数:907文字)
- 「主要勘定科目の法人税実務対策」のご購入はこちら
全文をご覧になりたい方は、下記ボタンからご購入をお願いいたします。
「主要勘定科目の法人税実務」では、本項目以外の主な勘定科目における会計処理の内容もご覧いただけます。