ちょっと役立つワインの小話 第12回 マルチな活躍をするロゼワインのお話

日本ソムリエ協会 ワインエキスパート/ワイン検定講師 佐久間 裕輝(米国CPA)

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ロゼワインを飲む機会はありますか?

ロゼと言えば,一部の世界(?)で"ピン・ドン"の愛称で親しまれているドン・ペリニヨンのロゼや,ブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリー夫妻が手掛ける「ミラヴァル」というワインが有名ですね(ボトルの形も印象的です!)。

赤や白と比べるとまだまだ飲む機会が限られるタイプのワインかと思いますが,その美しいピンク色のいでたちより,桜の季節にお花見の場で,或いは何かお祝い事などの際に特別にロゼのスパークリングワインを開けるなんてことも多くなってきているように思えます。しかし,このロゼワインはその見た目もさることながら,実はお料理とのマリアージュという点でマルチな活躍をするワインなのです。

この特徴はその造り方に起因するものなのですが,ロゼワインの製法を簡単にご説明しましょう。

以前,"ワイン同士を混ぜて飲んでみましょう"という少々,イタズラなお話をしましたが,赤ワインと白ワインを混ぜてみると,見た目はロゼの様な色合いのワインになります。確かに一部ではこうした混ぜるという方法もある様なのですが,最も一般的な方法が「セニエ法」といいます。セニエとはフランス語で「血抜き」...