キャッシュ・フロー予算制度構築 第2回【理論編】キャッシュ・フロー予算の理解
宝印刷グループ㈱スリー・シー・コンサルティング 児玉 厚
本稿では「キャッシュ・フロー予算制度構築」をテーマとして,3回に分けて考察している。
第1回【実務トレンド】
損益予算からキャッシュ・フロー予算へ
第2回【理論編】
キャッシュ・フロー予算の理解
第3回【実践編】
キャッシュ・フロー予算制度構築の実務的
ポイント
前回(第1回)は,東芝の事例を踏まえ損益予算からキャッシュ・フロー予算へシフトすることによる効果や,損益予算による実務の現状と課題について考察した。「第2回【理論編】キャッシュ・フロー予算の理解」では,具体例を用いて,キャッシュ・フロー予算を作成するための手順について解説する。なお,本稿の見解に係る部分は,筆者個人の私見である。
1.キャッシュ・フロー予算の概要
実績会計には簿記論という作成理論があるが,予算作成にはそのような作成理論はない。予算科目別に売上高や費用を集計するという単式簿記の形で予算作成が行なわれている。
キャッシュ・フロー予算を構築するためには,正確な予算比較貸借対照表を作成する必要がある。また,資金計画については,現状では予算財務諸表とは別に財務担当者が作成しているケースが多く見受けられるが,本来は予算財務諸表と連動させるべきで...
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