中国子会社の見える化 第11回 中国子会社の見える化の実践例
有限責任あずさ監査法人 公認会計士 増田 進
公認会計士 紫垣 昌利
米国公認会計士 中村 祥子
第10回まで「中国子会社の見える化」のために,子会社が事前に準備すべき資料とその見方を説明してきましたが,今回は「見える化」の進め方について解説します。
1.「見える化」の優先度のつけ方
いざ中国子会社の「見える化」を進めようとしても,リソースの問題などから一律に全ての子会社へ適用することは難しいので,「見える化の優先度」を付けていく必要があります。この場合,「重要性の高いところ」から優先的に進めるべきであり,例えば,制度対応上は,連結上の重要性の高い拠点や,日本の内部統制監査(いわゆるJ-SOX)において重要な拠点になっているところから優先的に進めるという方法があります。会社によっては,親会社よりも大きくなった中国子会社の管理部門に日本人の駐在員が常駐しておらず,親会社をなおざりにした形で現地化が進んでしまい,日本から実態がよく見えないというケースが見られます。このような会社は優先的に対策を検討すべきと考えられます。
具体的な進め方としては,パイロット的にいくつかの中国子会社を優先して,資料の整備方法や親会社による情報収集方法を確立し,そのプロセスを参考にして,その他の中国子会社に適用して...
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