Q&Aコーナー 気になる論点(152) IASBのリース会計基準(2)
早稲田大学大学院 会計研究科教授 秋葉 賢一
Q 国際会計基準審議会(IASB)が,2016年1月13日に公表したIFRS第16号「リース」において,借手が計上するとしているリース負債は,概念フレームワークにおける負債の定義を満たすのでしょうか。 |
A
IFRS第16号において借手は,原則としてすべてのリースについて,未払リース料の現在価値でリース負債を計上することとしています。未払リース料は,解約不能な期間と,延長オプションの行使及び解約オプションの不行使がそれぞれ合理的に確実な場合における当該オプション期間を合計した期間におけるリース料支払義務であり,IFRS第16号において,その現在価値は,IASBの概念フレームワークにおける負債の定義を満たすとしています。
<解説>
借手の当初認識(1)‐IAS第17号
現行のIAS第17号「リース」では,資産の所有に伴うリスク・経済価値を実質的にすべて移転するファイナンスリース(FL)について,借手はリース開始日(commencement date)に,[図表1]の金額で資産・負債を当初認識することとしています。
[図表1]
資産・負債当初測定リース資産以下の合計① リース負債の金額② 借手の初期直接原価...
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