リース取引の会計実務,税務実務とIFRS導入の影響 第9回 リース料の算定,組合リース規制,在庫リース
有限責任監査法人トーマツ 井上雅彦
本連載では,わが国の現行会計実務及び税務実務を振り返りながら,そのポイントや特徴を確認していく。また,「IFRS第16号「リース」」で明らかになった方向性を踏まえ,日本の現行実務に及ぼす影響を検討する。
第9回は,リース料の算定,組合リース規制,在庫リースを取り扱う。文中意見にわたる部分は個人の見解で,所属する法人の見解とは関係がないことを申し添える。
リース料の算定方法
ユーザーが設備投資する際,判断を左右する大きな要素に価格がある。リース契約において最も重要な契約条件の一つであるリース料がどのように決まるのか,リース料とともに重要な要素となる,リース期間や残存価額の設定はどうするのかを確認する。
リースは,リース会社がリース料としてリース物件の購入代金と付随する費用のほぼ全額を回収する。このため,リース会社が回収すべき金額に基づきリース料を算定する。
工業製品等では,製作コストたる製造原価に手数料を加え,利益を上乗せした価格を販売価格とする方法(マーク・アップ方式)が比較的多く採られる。
オフィスビルやマンションなどの賃貸借では,賃貸に要する費用として,建物の減価償却費と維持管理費を基本に,賃...
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