いまさらきけない会計基準等と実務のポイント 第7回 子会社株式とのれん
新日本有限責任監査法人 公認会計士 矢部 光識
1.はじめに
今回は,「子会社株式とのれん」を取り上げます。昨今,事業規模拡大,新規事業への進出を目的としたM&A(買収・合併)が増加傾向にあり,特にグローバルでの事業展開のために,日本企業が海外企業に対して実施するM&Aについては,金額も高額になる傾向にあります。
M&Aのケースとして多いと言われる株式取得による買収・子会社化における買収額は,被買収企業の将来の収益獲得見込等を反映した金額となるため,計上される子会社株式及びのれんの金額が高額になる場合があり,会計上,子会社株式の評価,のれんの評価が重要なポイントとなります。また,子会社株式は個別財務諸表で計上される一方,のれんは連結財務諸表で計上されるという違いがあり,それぞれの評価を検討する際には,両者の関係性を理解する必要があります。
そこで,今回は株式取得による買収・子会社化のケースにおける,「子会社株式」と「のれん」の評価方法,両者の関係の基本的な考え方について,いまさらきけないポイントを解説していきます。(本稿の意見にわたる部分は,筆者の私見であることをお断りしておきます。)
いまさらきけないポイント・子会社株式の評価方法・のれん...
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