世界のIFRS適用事例 Case6 有形固定資産の再評価モデル

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IAS第16号「有形固定資産」では,有形固定資産の当初認識後の測定方法として,原価モデルと再評価モデルを選択し,当該方針をすべての種類の有形固定資産に適用しなければならないと定めています(第29項)。わが国の会計基準では認められていない,有形固定資産の「再評価モデル(revaluation model)」とは,どのような方法なのでしょうか。

IAS第16号の第31項では,「資産として認識した後,公正価値が信頼性をもって測定できる有形固定資産項目は,再評価額(再評価日現在の公正価値から,その後の減価償却累計額及びその後の減損損失累計額を控除した額)で計上しなければならない。再評価は,帳簿価額が報告期間の末日現在の公正価値を用いて算定した場合の帳簿価額と大きく異ならないような頻度で定期的に行わなければならない。」とされています。

再評価による増加はOCIに認識

再評価の結果,有形固定資産の帳簿価額が増加する場合には,その増加額はその他の包括利益(OCI)に認識し,再評価剰余金(revaluation surplus)の科目名で資本に累積し,減少する場合には当該減少額を純損益に認識します。ただし,...