これでスッキリ!IFRS保険会計Q&A 第4回 変動手数料アプローチ(VFA)
有限責任 あずさ監査法人 藤原 初美
有限責任 あずさ監査法人 上田 智文
有限責任 あずさ監査法人 渡辺 伸哉
<はじめに>
約20年に及ぶ議論を経て,2017年5月に国際会計基準審議会(IASB)がIFRS第17号「保険契約」(以下,「IFRS第17号」または「本基準書」という)を公表した。本連載では,難解といわれるIFRS第17号を分かりやすく解説するため,IFRS第17号の適用にあたり検討が必要となる主な論点をQ&A形式で説明する。第4回目の本稿では,変動手数料アプローチ(VFA)の各論点を取り上げる。なお,文中の意見に渡る部分は私見である。
(注)特に断りのない限り,項番号および付録は本基準書のものを指す。
Q1.
変動手数料アプローチ(Variable fee approach)とはどのようなアプローチですか。
A1.
VFAもビルディング・ブロック・アプローチ(BBA)と同様に4つのビルディング・ブロックにより保険負債を測定します。ただし,BBAでは保険契約に係る投資ポートフォリオの成果は保険契約負債の測定には直接影響を与えないのに対し,VFAでは,企業が保険契約者に請求する報酬を,基礎となる項目(保険契約者に支払われる金額の一部を決定する項目を意味する)のリターンに連動した変動手数料とみなすた...
- 経営財務データベースで続きを読む
-
無料 2週間のお試しはこちら
すぐに使えるIDをメールでお送りします