在外子会社の連結 第8回 個別キャッシュ・フロー計算書の作成

株式会社ラウレア 代表取締役 公認会計士 飯塚 幸子

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はじめに

皆さんこんにちは! 公認会計士の飯塚幸子です。「在外子会社の連結」第8回の講義を始めます。

前回までは,連結精算表を作成する際の在外子会社に関する論点を順番に確認してきました。今回からは連結キャッシュ・フロー計算書を作成する上での手順を確認していきたいと思います。

それではさっそく始めていきましょう。

1.連結キャッシュ・フロー計算書作成の流れ

まず,連結キャッシュ・フロー計算書作成の流れを確認しておきましょう。

連結キャッシュ・フロー計算書の作成方法としては, 原則法簡便法 という2通りの方法があります(【図表1】参照)。

【図表1】連結キャッシュ・フロー計算書の作成方法

原則法 とは,まず個別キャッシュ・フロー計算書を合算し,その後,グループ内部におけるキャッシュ・フロー内部取引(たとえば,貸付による支出と借入による収入など)を相殺消去して連結キャッシュ・フロー計算書を作成する方法です。在外子会社の個別キャッシュ・フロー計算書は現地通貨で作成し,それを円に換算して親会社およびその他の国内子会社の個別キャッシュ・フロー計算書と合算します。

簡便法とは,連結貸借対照表の前期と当期の差額と当期の連結...